こんにちは!Cookalc(クッカルク)運営者の岡崎です。
普段の料理や製パンの配合計算をサポートしているCookalcですが、このたび新ツールとして
「コーヒーの淹れ方 計算ツール」を公開しました。
私自身、普段からそれなりに道具や淹れ方にはこだわってきた自負がありました。
日常の相棒であるタイムモア(TIMEMORE)の手挽きミルをはじめ、豆本来のオイル分をダイレクトに引き出してくれるコレス(cores)のゴールドフィルターをサイズ違いで揃え、定番のカリタ(Kalita)、メリタ(Melitta)、ハリオ(HARIO)といったペーパードリッパーも複数台を使い分け。忙しい朝にはネスプレッソのマシンに頼るなど、周囲からも「結構なマニアだね」と言われるタイプです。
しかし、いざ「コーヒー抽出の計算ツールを作ろう」と国内外の書籍や専門資料を調べ始めると、想像をはるかに超える奥深さに圧倒されることになりました。
豆の量、お湯の量、温度、そして抽出にかける秒数……。わずかなブレで味がガラリと変わるコーヒーの世界は、まさに緻密な分量計算を得意とするCookalcにとって格好のテーマでした。
多くの計算サイトが見落としている「消えるお湯」
開発にあたって真っ先に向き合ったのが、「淹れる前の注湯量」と「実際にカップに届く抽出量」のズレです。
一般的なレシピ本やWebの計算ツールでは、「注いだお湯の量=出来上がり量」として計算されていたり、メーカーの公称値をそのまま当てはめていたりすることが少なくありません。しかし、実際にコーヒーを淹れてみると、注いだお湯がすべてカップに落ちてくるわけではないことは、淹れたことがある方ならお気づきのはずです。
- コーヒー粉が吸い込んで離さない水分
- ドリッパーやサーバーなどの器具に残る水分
- ドリップ中に湯気となって空気中へ逃げる水分
これらが確実に存在するため、メーカーの公称値通りに作っても出来上がり量はどうしても多めに表示されてしまいます。
条件を変えて4回実測してわかったリアルな数値
そこで、条件を変えながら4回にわたって徹底的に実測検証を行いました。
その結果導き出されたのが、以下のリアルなロス率です。
- 粉が吸うお湯:粉の重さの約2.0倍
- 器具の残留+湯気ロス:注いだお湯全体の約6%
さらに、ペーパー、金属フィルター、ネルなど、抽出方式ごとの吸水差も計算式に組み込みました。
巷ではよく「金属フィルターは紙と違ってお湯を吸わないから出来上がり量が多い」と言われますが、全く同じ条件で比較実験を行ってみたところ、ペーパーフィルターとの差はわずか1.4%しかありませんでした。
通説やイメージに惑わされず、こうした「実験で確かめた事実」をそのまま反映したことで、既存のどんな計算ツールよりも実質値に近い、正確な出来上がり量を導き出せるようになっています。
正解を押し付けない。あなたが「どこにいるか」がわかるツール
このツールには、プロの抽出比率(ブリューレシオ)の目安帯を表示するスライダーを設けています。一般的な基準は1:12〜1:18あたりですが、ツール自体の可動域はそれよりもずっと広く設定しました。
なぜなら、コーヒーの味の好みは千差万別だからです。私自身、家でリラックスして飲むときは1:19〜1:21というかなり軽めの比率が定番で、推奨帯の外側にいます。同じ家の中でも「ちょうどいい」「いや、薄い」と好みが分かれるほどです。
このツールは「この比率が正解です」と押し付けるものではなく、「プロの基準と比べて、今の自分のお気に入りはどのあたりにあるのか」を可視化するためのコンパスです。
器具ごとの切り替えはもちろん、お気に入りの設定を記憶できるメモリー機能も備えています。ぜひ、日々のドリップの相棒としてご活用ください。
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