Cookalc(クッカルク)運営者の岡崎です。
ピザ作りの沼にハマると、必ず通る道が「小麦粉選び」です。
我が家でも色々な粉を試行錯誤しているのですが、最近「国産の小麦粉」を使ってピザを焼いてみたところ、これが家族に大好評!「めちゃくちゃ美味しい!」「こっちの方が好きかも」と大絶賛されました。
本場イタリアの粉も素晴らしいですが、「もしかしたら、日本人には日本の粉の方が合っているのではないか?」と感じてしまうほどの衝撃でした。
そこで今回は、ナポリピッツァの代名詞とも言えるイタリア産小麦粉と、国産を代表する2つのピッツァ専用粉の違いを解説します。
さらに、「イタリアの小麦は日本に届くまでに品質が変化していないのか?」というマニアックな疑問についても考察してみました。
1. 本場ナポリピッツァの基準:カプート社「サッコロッソ・クオーコ」
まずは王道中の王道。イタリア・カプート社の「サッコロッソ・クオーコ」です。
ナポリピッツァ専用粉(ティーポ00)の代名詞的存在で、骨格の強さ、伸びやすさ、そして焼き上げた際の軽やかな歯切れの良さを備えています。また、強靭なグルテンを持っているため、低温での長時間発酵にもしっかりと耐え抜くのが最大の特徴です。まさに「本場の味」を再現するための基準となる粉です。
サッコロッソ クオーコ(SACCO ROSSO CUOCO)
ヌーヴォラ(Nuvola)
2. 国産を代表するピッツァ専用粉、注目の2大銘柄
一方で、近年日本のトップピッツェリアでも大絶賛され、愛用されているのが以下の2つの国産ピッツァ専用粉です。
- 江別製粉「100% HOKKAIDO」
北海道産小麦100%でつくられた、国産ピッツァ専用粉の金字塔です。「国産小麦はグルテンが強すぎて生地が縮み、伸ばしにくい」という常識を覆し、イタリア産粉に負けない伸展性の良さと、北海道産小麦ならではの豊かな甘み・香りを両立させています。
- 日清製粉「ルスティカ(Rustica)」
日本のナポリピッツァ職人たちと共同開発された銘柄です。北海道産小麦を中心にブレンドされており、高温で一気に焼き上げたときの軽快な歯切れと、石臼挽きのような香ばしさを実現しています。
100%HOKKAIDO ピッツァ用粉
日清製粉 ルスティカ
3. 日本人には「日本の粉」が合う理由
家族が国産粉のピザを絶賛した理由の一つは、間違いなく「食感と風味」です。私たち日本人は、お米文化の影響もあってか、パンやうどんにも「もっちり・しっとり感」や「素材の甘み」を好む傾向があります。国産小麦特有の濃い旨みとモチモチ感が、家族の舌にドンピシャでハマったのだと思います。
4. 【考察】イタリアからの長い輸送で、品質に変化は起きている?
そしてもう一つ、非常に重要な要因として考えられるのが、「本場イタリアの粉が日本に届くまでの過酷な輸送環境」です。
イタリアから日本へ小麦粉を船便で輸入する場合、地中海からスエズ運河を抜け、インド洋や赤道直下のアジア海域という非常に高温多湿なエリアを数週間から1ヶ月以上かけて通過します。一般的なドライコンテナ(常温コンテナ)の内部は、日中の赤道付近では50℃〜60℃以上の過酷な灼熱状態になることもあります。
小麦粉に含まれるタンパク質(グルテンの元)や酵素は、熱や湿度の変化に非常に敏感です。輸入業者も品質維持に細心の注意を払ってはいますが、長期間の「温度ストレス」や過度なエイジング(熟成)によって、現地のナポリで製粉直後に使う状態と比較すると、香りの飛びや、生地にした際のダレやすさなど、微細な劣化や変化が起きている可能性は十分に考えられます。
一方、国産小麦は国内で製粉され、短期間かつ良好な環境で私たちの手元に届きます。この「圧倒的な鮮度の違い」と「輸送ストレスのなさ」こそが、国産粉で作った生地がイキイキとして扱いやすく、美味しく仕上がる隠れた最大の要因なのかもしれません。
Cookalcで粉の個性を引き出す
粉が変われば、吸水率も変わります。
国産小麦は一般的に水をよく抱き込むため、加水率の微調整が成功の鍵になります。 そんな時こそ、当サイトの「ナポリピッツァ生地 計算シミュレーター」や「高機能ベーカーズパーセント計算ツール」の出番です。国産粉に合わせて水分量や配合をパッと割り出し、最高の状態を引き出してみてください。
日本の風土で育ち、新鮮な状態で届く国産小麦で作るピッツァ。
もしかすると、これからの日本の家庭ピザのスタンダードになっていくかもしれませんね。
